■□■ 『災害補償』表紙写真館 ■□■


享保雛

河北町に伝わる雛人形
〜紅花で京・大阪と結ばれ、上方文化が残る町〜

 河北町谷地は、最上川中流の緑豊かな田園地帯に静かにたたずむ文化の濃い町です。もとは河港の町として栄え、ここに集積した米と「紅花」は最上川を酒田へ下り、北前船航路により敦賀に上陸し、琵琶湖・淀川を経由して京都・大阪に送られていました。

 紅花は、平安時代より、高貴で高い官位を表す色とされた紅色を染める植物染料として重用された。また、紅花から採れる口紅・頬紅用の紅(べに)は生花の0.3パーセント程度と少なく、江戸時代には「紅一匁(もんめ)金一匁」と言われるほど高価なものでした。

 この紅花の取り引きで、京都などからの上方文化がこの地に導入され、雛もそのひとつ。伝わる数多くの享保雛や古今雛などは折紙つきの逸品で、美術書の巻頭を飾っています。この小さな町に立派な雛が数多く残っていることと、その収集保存が全く庶民の手によって行われていたことも驚きに値します。

 毎年、月遅れの4月2日・3日に町内北口通りを中心に「ひな市」が立ちます。

 写真は、町所蔵の享保雛(江戸中期の享保期(1716〜35)に発達した町方の内裏雛)。本品は享保6年(1721)触書によって、雛の寸法を約24センチメートルまでと定められた後の作品。紺地金襴の共裂で装束を作り、面立ちは気品に満ち、均整がとれていて優美なものです。

2012年2月号 【山形県支部】


地方公務員災害補償基金が発行している、『災害補償』の表紙を飾る支部からの写真を、冊子の発行にあわせて偶数月にご紹介していきます。






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